万華鏡の世界

自分と自分と時々君

2017-01-01から1年間の記事一覧

2つの交響詩に見るドイツ、フランス的音楽の世界観 

今回は、リヒャルト・シュトラウスの交響詩《英雄の生涯》、クロード・ドビュッシーの交響詩《海》。この2作品を通してこれらの作品の背景にある「ドイツ的」「フランス的」なるものがどのようなものであるかを考察する。 この2作品が書かれた時代は、音楽史…

日記、あります

http://emi0x0.hatenadiary.jp/ うまく連携がとれていないようなので。日記です。

西加奈子『うつくしい人』を読んだ

うつくしい人 (幻冬舎文庫) 作者: 西加奈子 出版社/メーカー: 幻冬舎 発売日: 2011/08/04 メディア: 文庫 クリック: 2回 この商品を含むブログ (2件) を見る 西加奈子の『うつくしい人』を読んだ。始めの数行を読んだだけで、ああ読みやすいと思っていたが、…

音楽は何かの役に立つのか

「◯◯は何の役に立つ?」という話、結構各方面で繰り広げられているし、私があえて書くことでもないような気がするのだけど、音楽をやる立場としては無視できないことであるため、書いてみようかと思う。始めに述べておくが、私は「役に立つ」という言葉が好…

文章についての走り書き

起承転結などの展開に慣れすぎている話 普段読む多くの文章がロジカルなだけに、そうでない文章に触れた時の異物感がものすごい。小説に関しては「そういうものだ」という認識があるからまだ良いが、いかにもまとまってそうな記事を読んだときに、ロジカルで…

「好き」が「嫌い」になる時、「好き」がなくなる時

とても印象的な場面に出会したのでふんわりと書き留めておきたい。 最近「好き」から「嫌い(憎しみ)」へ変貌する様を目の当たりにした。 端的にいうと、私に好意を寄せていたと思われる人が私の言動によって私を憎むことになったという内容である。 相手が…

音痴の話

フォロワーさんに音楽や音に関して何か疑問に思っていることはないか尋ねたところ、「音感のある人ない人、音痴な人とそうでない人ってのは、どういう風に違っていると考えられているんでしょう?」という問いをいただいたのでお返事を書きたいと思います。…

見知らぬ彼女

彼を通して見える彼女は非常に可愛気があって透き通っていた。 まっすぐに彼を見つめて、信じて疑わない。 しかし、彼女には見せない姿が彼にはあった。 病気だ、と私は思った。なんとか治したかった。 まだ見ぬ、そしてこれからも絶対に会えぬ彼女のために…

嫉妬の末

彼女は私の日常の端っこにいた。そっと彼を見守っている。 私は彼女が彼に好意を寄せていたことを知っている。彼女も私のことを知っていた。 彼女が彼と話をする時、ほんの僅かに見える切なさを私はチクリと勝手に感じる。 昔はチクリどころではなかった。嫌…

音楽に対して何も思うことがないという話

「何も思うことがない」ということがどういうことなのかについて話したい。 私は音楽が嫌いで、なぜ嫌いかというと頭の中で鳴り響いて離れないからである(厳密には、「頭の中で鳴り響く音楽」が嫌いで、音楽の全てを嫌っているわけではない。頭に比較的残り…

ミュージックセリエル、そして偶然性の音楽

「4分33秒」。音楽界に波乱を巻き起こした曲である。一般的にピアニストが演奏することが多い曲で、(絶対にピアノだと決まっているわけではない)3楽章に渡りタセット(休止)と楽譜に記述されている。つまり楽音は一切登場しない。沈黙の音楽として私は高…

『千住博の美術の授業 絵を描く悦び』を読んだ。

千住博の美術の授業 絵を描く悦び (光文社新書) 作者: 千住博 出版社/メーカー: 光文社 発売日: 2004/05/15 メディア: 新書 購入: 1人 クリック: 22回 この商品を含むブログ (39件) を見る 新書という読みやすい類の本でこれだけの内容が書けるのはすごいな…

所謂普通のクリスマスイブを過ごしてみた。

私は日本のクリスマスという行事が不自然に見えて仕方がなく、偏見の眼差しで日本人のクリスマスの過ごし方を捉えている節があり、時にひどく侮蔑的にさえ見てしまうことがあるのだが、実際のところそのような過ごし方は面白いんだろうか、という疑問があっ…