万華鏡の世界

自分と自分と時々君

考えていること、考えたこと

私のいろいろ音楽遍歴

久しぶりにブログを書こうと思った。人の音楽遍歴を聞いているうちに、自分も整理したくなった。覚えていないところもあるけれど、書いてみる。 とりあえず演奏として音楽に初めて触れたのは4歳のときで、私はヤマハの音楽教室に通っていたらしい。ピアノを…

いつか世界に溶けていく

いつか世界に溶けていくことを、私は肯定的にも否定的にも捉えたくないと直感的に思っていた。(今思えば、)なぜならそれが救いになろうと、不幸の元になろうと、人為的秩序の世界において存在するだけの人間の価値観に過ぎなかったからだ。ただ世界に溶け…

芸術と認知のはなし

少し前に出ていたとある論文のことを思い出したので噛み砕いて話す。おそらくその人は認知(直訳では神経美学と出た)に関する研究をしている人だったと思う。「思う」というのは、フリーではアブストラクトを確認することしかできなかったのと、英文だった…

人生を楽しくする工夫

以前アスクで来た質問の回答です。まとまっているので載せておきます。 楽しく生きていくのに絶対必要なことって実はないんですよね。なぜなら楽しい時って、何もなくても楽しいですから。そういう理屈っぽいことじゃなくて!と言いたくなると思うので、私が…

2つの交響詩に見るドイツ、フランス的音楽の世界観 

今回は、リヒャルト・シュトラウスの交響詩《英雄の生涯》、クロード・ドビュッシーの交響詩《海》。この2作品を通してこれらの作品の背景にある「ドイツ的」「フランス的」なるものがどのようなものであるかを考察する。 この2作品が書かれた時代は、音楽史…

音楽は何かの役に立つのか

「◯◯は何の役に立つ?」という話、結構各方面で繰り広げられているし、私があえて書くことでもないような気がするのだけど、音楽をやる立場としては無視できないことであるため、書いてみようかと思う。始めに述べておくが、私は「役に立つ」という言葉が好…

文章についての走り書き

起承転結などの展開に慣れすぎている話 普段読む多くの文章がロジカルなだけに、そうでない文章に触れた時の異物感がものすごい。小説に関しては「そういうものだ」という認識があるからまだ良いが、いかにもまとまってそうな記事を読んだときに、ロジカルで…

「好き」が「嫌い」になる時、「好き」がなくなる時

とても印象的な場面に出会したのでふんわりと書き留めておきたい。 最近「好き」から「嫌い(憎しみ)」へ変貌する様を目の当たりにした。 端的にいうと、私に好意を寄せていたと思われる人が私の言動によって私を憎むことになったという内容である。 相手が…

音痴の話

フォロワーさんに音楽や音に関して何か疑問に思っていることはないか尋ねたところ、「音感のある人ない人、音痴な人とそうでない人ってのは、どういう風に違っていると考えられているんでしょう?」という問いをいただいたのでお返事を書きたいと思います。…

音楽に対して何も思うことがないという話

「何も思うことがない」ということがどういうことなのかについて話したい。 私は音楽が嫌いで、なぜ嫌いかというと頭の中で鳴り響いて離れないからである(厳密には、「頭の中で鳴り響く音楽」が嫌いで、音楽の全てを嫌っているわけではない。頭に比較的残り…

ミュージックセリエル、そして偶然性の音楽

「4分33秒」。音楽界に波乱を巻き起こした曲である。一般的にピアニストが演奏することが多い曲で、(絶対にピアノだと決まっているわけではない)3楽章に渡りタセット(休止)と楽譜に記述されている。つまり楽音は一切登場しない。沈黙の音楽として私は高…

所謂普通のクリスマスイブを過ごしてみた。

私は日本のクリスマスという行事が不自然に見えて仕方がなく、偏見の眼差しで日本人のクリスマスの過ごし方を捉えている節があり、時にひどく侮蔑的にさえ見てしまうことがあるのだが、実際のところそのような過ごし方は面白いんだろうか、という疑問があっ…

善く生きること

私達は日々様々なことを考えながら、そして、多様な活動をしながら生きている。普段の生活に満足している人は多くはないかもしれない。私達が生きていく上で、より良い生き方とは何なのか考えたい。この記事が各々の生活に何か変化をもたらす契機になると良…

やりたいことを書き出してみる

まずは音楽について考えたい。以前「音楽に求めていること」で「最低限やりたいことはある」と言っていたが、具体的に言葉にしたことがなかったため、書いてみる。 emi0x0.hatenablog.com はじめに、音楽がなにものであるかを自分なりに明らかにしたいという…

人々は音楽のどこを聴いているのか。音楽の聴き方

『音楽の聴き方』という本があるように(内容はほとんど忘れてしまったが)、音楽には聴き方の型が存在する…という説がある。 音楽の聴き方―聴く型と趣味を語る言葉 (中公新書) 作者: 岡田暁生 出版社/メーカー: 中央公論新社 発売日: 2009/06 メディア: 新…

音楽の何が知りたいのか

以前似たような話を書いたので一応貼っておく。 emi0x0.hatenablog.com emi0x0.hatenablog.com 30分ぐらいはかけていたであろう、この記事をBackSpaceキーか何かで誤って消してしまったが気を取り直して再び書きたいと思う。 先日ある人と話をした。音楽の話…

深い仲とは

深い関係とは何を以ってそう呼ぶんだろうか。 私は誰かと深い仲になったことがあるんだろうか。 なんでも話せる関係が深い関係だとするのなら、私は誰か一人に対してなんでも話せた試しがないため、深い関係を築けずに今日まで過ごしてきたことになる。 しか…

遅々として進まない読書にも種類がある

元々数冊を並行して読むことが苦手なため、あまり同時に読んでいくことはないが、今、二冊の本を集中的に読んでいる。 音楽美学<野村> 作者: 野村良雄 出版社/メーカー: 音楽之友社 発売日: 1998/12/10 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 存在の…

音楽に求めていること2

wynnwind.hatenablog.com 読者の方から反応を頂いたので嬉々として拝読した。そして、肝心のタイトルについて自分が何も言及していないことに気づいたので再度考察したいと思う。 まずこの方は音楽(合唱)に対して次のようなことを求めているそうだ。 私が…

「完成度の高いブログ」に萎えてしまうわけ

完成度の高いブログと一言で言っても様々あるが、ネットによくあるコラム的な「あんな感じの書き口」のブログに出会うと拒絶反応が起こる。 何故か。 ・人間味があまり感じられないから。 もっと言うと ・物事との距離を置きすぎだから。 以上の二点を今書き…

音楽に求めていること

質の良いブログを探そう、というわけで音楽用語を用いて検索し、はてなブログを中心にいくつか回ってみた。 いろいろとあって音楽とは長い付き合いであるわけだが、今日様々なブログに触れてみて思ったのは、「私は音楽に関してどうしたいのか」ということだ…

充実した生活とは

最近、自分にとって充実した生活とはなんだろうと意識することが良くある。 おそらく次の二点が満たされていれば充実を感じることができるのだが、他の人はどうだろうか。 ①やりたいことが充分にやれたか やりたいことと言っても、様々な次元で、あるいは種…

昔の文章…「神秘的、絶対的なものの消滅」

夢むかしむかし親は神でした。むかしむかし音楽は神秘的なものでした。何か得体の知れない絶対的なものだと畏れていました。時を経て親も音楽も実態がつかめてきました。知れば知るほどに抱いていたファンタジーは崩壊して、神はいなくなりました。今ある神…

人と話すということ2

他者は楽しく関係するための手段か、それともその人の存在ゆえに関係したくなる目的か 上手く飲み込めていないのだが、私は両方の側面があると思っている。先の 人と話すということ - 万華鏡の世界 では、主に手段的な側面を書いたが、後者を切り捨てた内容…

人と話すということ

私が頻繁に抱く欲求のひとつに人と話をしたくなるというものがある。具体的に誰と何を話したいかというようなものではなく、なんとなく誰かと、何か話をしたいといったものだ。 おそらくこれは、本当に話がしたいというより、口を使った快楽を欲しているのと…